保育内容 人間関係 ―子どもの人との関わりと保育実践を学ぶ―

著者
藪中征代・近内愛子・玉瀬友美 編著
版型・頁
B5判 224頁(2023/10/29)
ISBN
978-4-89347-410-0
価格
1,980 円(税込)
数 量

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概要

子どもの人との関わりを学ぶ保育内容・人間関係のテキスト

 本書は、2017(平成29)年3月に告示された幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂(定)の内容を踏まえて構成しています。本書の内容は、幼稚園教諭や保育士などを目指す学生が、保育内容「人間関係」の基礎を学ぶテキストとして使っていただくことを目的に制作しました。
 子どもは、生まれてすぐのころには家庭内を中心に過ごしています。その後、親に連れられて、公園や子育て支援センター、そして、幼稚園や保育所などに行くようになります。このように乳幼児期は、人間関係の基礎を培う時期といえるでしょう。したがって、それを保障するためにも、幼稚園や保育所、認定こども園などの施設において、子育て支援を含めて質の高い保育が求められています。そのためにも、友達や保育者と対面して、関わり合っていく機会が増えていくように計画することが重要なのです。
 本書は「子どもの人との関わり」に焦点を合わせ、また子どもを取り巻くさまざまな人間関係について、豊富な事例とイラストを組み合わせて養成校に通う初学者のみなさんにも親しみやすく学びやすいように解説しました。各章の末尾には、振り返りのための設問を置いて、学びの確実な定着にも配慮しています。本書で学んだみなさんが、保育の現場で大いに活躍されることを願っております。
(「はじめに」を要約)

主要目次

第I部 領域「人間関係」とは
 第1章 領域「人間関係」に求められるもの
  1 人間関係とは何か
  2 乳幼児の発達をとらえる視点としての保育内容5領域
  3 発達の基盤としての人と関わる力
 第2章 幼児教育・保育の基本と領域「人間関係」の「ねらい及び内容」
  1 領域「人間関係」が目指すもの
  2 領域「人間関係」の「ねらい及び内容」
  3 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿と領域「人間関係」

第II部 人との関わりの発達
 第3章 乳児期から幼児期前期の子どもの人間関係の発達 34
  1 0歳児の育ちと人との関わり
  2 1歳児の育ちと人との関わり
  3 2歳児の育ちと人との関わり
 第4章 幼児期前期から幼児期後期の子どもの人間関係の発達
  1 3歳児の育ちと人との関わり
  2 4歳児の育ちと人との関わり
  3 5歳児の育ちと人との関わり
  4 幼児期後期から児童期へ

第III部 遊びのなかから生まれる人との関わり
 第5章 遊びと人との関わり
  1 仲間といっしょに遊ぶ楽しさ
  2 イメージの共有
  3 仲間との出会い
  4 異年齢の子どもの関わりで育つもの
 第6章 道徳性の芽生え
  1 乳幼児期の道徳性の基盤とその発達
  2 心の理論
  3 共感・おもいやり
  4 遊びや生活をとおして育つ子どもの心
 第7章 対話的な学び
  1 対話的な学びとは
  2 自我の育ち
  3 自己発揮・自己抑制
  4 共に生きる
  5 いざこざをとおして育つもの
第8章 協同的な学び
  1 子ども同士の関わりから生まれるルール
  2 グループ活動と話し合い

第IV部 人との関わりを支える保育者の役割と計画
 第9章 人との関わりを支える保育者の役割
  1 信頼関係を基盤に人と関わる力を育む
  2 違いのよさを生かす集団の形成
  3 地域の人との関わり
 第10章 人との関わりを支える保育者の計画
  1 教材・保育環境を考える
  2 ICTの活用とは
  3 指導計画の理解と評価
 第11章 日々の保育を支える人間関係
  1 保育を読み解くプロセスで働く「同僚性」
  2 保育者と保護者との「協同性」
  3 まとめ
 第12章 特別なニーズをもつ子どもへの支援
  1 障害のある子どもなどに対する保育者の配慮
  2 個別の支援計画の実際と活用
  3 まとめ

第V部 現代の子どもを取り巻く人間関係
 第13章 家族の多様化と子どもの人間関係
  1 少子化
  2 家族・家庭環境の変化
  3 文化の多様性
 第14章 社会環境の多様性と子どもの人間関係
  1 社会環境の変化と子育て
  2 コロナ禍が子育て家庭に与えた影響─貧困と孤立─
  3 子どもと親のよりよい人間関係のために─共生社会に向けて─