子ども学 第13号
- 著者
- 白梅学園大学・白梅学園短期大学子ども学研究所「子ども学」編集委員会 編集
- 版型・頁
- B5判 228頁(2025/05/31)
- ISBN
- 978-4-89347-403-2
- 価格
- 1,980 円(税込)
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概要
地球温暖化をはじめとする気候変動や感染症のパンデミックなど,地球規模での大きな危機が,自然と人間の関係の問い直しを迫っています。その際に重要になるのは,人間を中心におくのではなく,人間以外のものを含む多様な存在が織りなす環境の一部として,人間をとらえようという視点です。教育や保育の世界でもそうした視点からのポストヒューマニズムという思想運動が影響力を持ち始め,子どものとらえ方を大きく変えようとしています。
そうした動きをとらえ,本誌では,巻頭特集「見られる身体」,特集1「ポストヒューマニズムと子どものエージェンシー」,特集2「構造とケアの現代的課題に迫る」,特集3「子どものこころとからだ」の4つの特集を企画しました。
これらの4つの特集を貫いて浮き彫りになっているのは,権利を奪われ不可視化されている子どもの声の存在です。特集1でムリスはそれを子ども期の「植民地化」としてとらえつつ,それを脱/植民地化していく可能性を模索しています。このムリスのマニフェストをてがかりとしながら,私たち自身の新しい子ども学のマニフェストをつくる,その第一歩に今回の4つの特集が貢献できれば幸いです。
(編集委員長 白梅学園大学・白梅学園短期大学学長 小玉重夫「まえがき」を要約)
主要目次
〈巻頭特集〉子ども・子ども学トピックス 2025 見られる身体
・見られる身体と赤ちゃん審査会…大出春江
〈特集1〉ポストヒューマニズムと子どものエージェンシー
・マニフェスト ポストヒューマンな子ども…カリン・ムリス著,小玉重夫訳
・ポストヒューマンな子どもの翻訳的エージェンシー…小林夏美
・保育実践と保育研究における回折的方法論の可能性…岡南愛梨
〈特集2〉構造とケアの現代的課題に迫る
・今日の社会的養護におけるケアの「構造」的課題…内海新祐
・育児マルトリートメントの構造的理解と社会的対応…武田信子
〈特集3〉子どものこころとからだ
・子どもの“からだと心”の現在地…野井真吾
・市販薬オーバードーズ問題は大人たちに何を訴えているのか?…松本俊彦
〈子ども学研究所報告〉
・古田足日研究プロジェクト…仲本美央
[投稿論文]
〈原著論文〉
・園長の課題対処スタイルの違いにみる園長職の熟達化…平原藍・本山方子
〈研究ノート〉
・総合遊具における「低天井下」に関する研究…前島美保・飯野祐樹