パネルシアターハンドブック

著者
古宇田亮順・松家まきこ・藤田佳子 著
版型・頁
B5判 121頁 カラ― (2009/06/23)
ISBN
978-4-89347-136-9
価格
1,650 円(税込)
数 量

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概要

子どもたちはお話を聞くのが大好きです。お母さんや保育者から読んでもらう絵本に目を輝かせています。私も学生時代に紙芝居や人形劇をもって日本各地の小学校や保育所、幼稚園等を訪ねて、多くの子どもたちの笑顔に出会いました。社会に出てからもますます子どもたちの前に立つ機会が増え、児童文化の研究、とくに貼り絵形式の絵ばなしには興味をもち続けていました。一方的にお話を話すのではなく、お話を通して、子どもたちとかけあいながら、楽しみ合い、膨らませ合って、進めていきたいと願っていたからです。そこで試行錯誤のなか、30数年前に考案したのが、この「パネルシアター」です。……(中略)……文明社会の発達にともない、どんどん機械化されていく生活のなかで、手づくりの温かさ、必要性が見直され、パネルシアターの誕生は子どもばかりでなく、保育者、教育者、レクリエーション関係者等からいち早く歓迎されました。日本全国をめぐる機会にも恵まれましたが、海外での経験も強く印象に残りました。
こんな喜びを少しでも味わってもらいたく、また保育実習、教育実習という緊張の場を少しでも和らげて無理なくできるよう綴ってみました。実習生、初心者にわかりやすく楽しく活用されるよう以下のように、本書を構成いたしました。
第1章では、パネルシアターのはじまりから、その魅力についてまとめています。第2章では、パネルシアターを通して子どもたちのなかにどのようなものが育つのかについて、現場での実践事例から説明しています。第3章では、パネルシアターの作品の選び方や絵人形のつくり方を中心に解説し、第4章では、パネル舞台のつくり方や設置の仕方と、実際の作品例を取り上げ、パネルシアターの演じ方について解説しています。最後、第5章では、実際に実習で活用する際の参考となるように、親しみやすい作品とともに、実習現場での実習生の事例を紹介し、実習での演じ方や展開を具体的に解説しています。
公立幼稚園教諭、短期大学講師として自ら作成したお話、歌遊びの豊富な経験をもつ松家先生、そして短期大学、大学講師以外にも海外公演豊富な藤田先生の2人の熱心な協力執筆により、今までにない、初心者に、また実習生に役立つ内容の本となりました。初心者としていささか不安な立場、環境をよく理解して、できるだけ使いやすい作品を数多く提示紹介しましたので、実習生をはじめ、はじめてパネルシアターに出会う人にとって、最良なハンドブックとなるものと信じています。身近なところにおいて常時、気軽に利用されますよう願っています(本書まえがきより)。

主要目次

第1章 パネルシアターとは
 §1 パネルシアターとは
 §2 パネルシアターの誕生と広がり
 §3 パネルシアターの魅力
 §4 パネルシアターの表現分野
第2章 パネルシアターを通して子どものなかに育つもの
 §1 先生大好き!―安心感を与え、信頼関係を育む<養護>―
 §2 できるよ!―進んで取り組む生活習慣<健康>―
 §3 人っていいな!―コミュニケーションから育つ生きる力と心地よさ<人間関係>―
 §4 楽しいな!―興味・関心の高まりで広がる遊びと生活<環境>―
 §5 先生あのね!―心を通わせて育つ豊かな言葉と伝えたい気持ち<言葉>―
 §6 すごい!―さまざまな感情体験を通して育つ豊かな感性<表現>―
 §7 表現する楽しさを知り、一人からみんなで楽しむ表現へ<発展>
第3章 パネルシアターをつくる
 §1 パネルシアターの作品の選び方
 §2 パネルシアターを演じるために必要なもの
 §3 絵人形をつくろう
 §4 しかけをつくろう
 §5 パネルシアター製作の発展例
第4章 パネルシアターを演じる
 §1 パネル舞台と作品準備 ―舞台をセッティングしてみよう!
 §2 演じるときの絵人形の取り扱い ―絵人形を実際に貼って動かしてみよう!
 §3 演じるときの語り方―基本的な心構え
 §4 実際に演じてみよう!―「犬のおまわりさん」を演じる
第5章 実習でパネルシアターを演じる
 §1 実習でパネルシアターを演じる
 §2 パネルシアターの実践事例から

巻末資料①新作! パネルシアター作品
  「ぐんぐん大きくなった!」(シナリオ、楽譜、手遊び、下絵)
  「落としたどんぐり」(シナリオ、下絵)
  「犬のおまわりさん」(下絵)
巻末資料②パネルシアターおすすめ作品紹介