日常の保育を基盤とした子育て支援  ―子どもの最善の利益を護るために

著者
長島和代・石丸るみ・前原 寛・鈴木彬子・山内陽子 著
版型・頁
B5判 272頁(2018/10/31)
ISBN
978-4-89347-316-5
価格
2,200 円(税込)
数 量

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概要

「子どもの最善の利益を護る」という視点を軸に、日常保育を通じて、様々な保護者支援・子育て支援のニーズおよび具体的な内容、およびその支援に必要な方法・技術、考え方について、豊富な事例をもとに解説しています。

本書は、平成31年度よりスタートする新しい保育士養成課程の「子育て支援」の教 授内容(厚生労働省:子発0427第3 号)に即して内容を構成しています。その教授内 容の「目標」には次のようにあります。

1.保育士の行う保育の専門性を背景とした保護者に対する相談、助言、情報提供、行動見本の提示等の支援(保育相談支援)について、その特性と展開を具体的に理解する。
2.保育士の行う子育て支援について、様々な場や対象に即した支援の内容と方法及び技術を、実践事例等を通して具体的に理解する。

本書では、この教授内容が求める「子育て支援についての具体的な学び」にアプローチする際に以下の点に留意しています。

1.第1章で、子どもの最善の利益とそれを護る専門家としての倫理を取り上げています。子育ての専門家として拠って立つ根本の原理、理念を押さえています。
2.日常の保育と子育て支援は一体となって行われるものであるということを重視しています。子どもの健やかな育ちを真ん中におき、日々の保育を質高く実践していくことが基盤となって、適切な保護者支援が可能になる。あるいは、質の高い保育がそのまま保護者支援になる、という視点です。
3.実践の根拠となる理論について、保育独自の方法・技術とソーシャルワークをあげています。保護者との日常の会話の中で「相談する」という構えなしに、何気なくなされる相談と、あらかじめ相談内容がある程度保護者と意識化されている場合とがあると思います。それぞれ、保育者が身につけておく必要のある方法と技術を取り上げています。
4.実践事例を豊富にかつ丁寧に取り上げています。実践の中で、上述の視点や理論がどのように生かされ、展開されているのかがわかる様に意図しています。
5.演習科目という科目特性を踏まえ、学びのポイントとなる所に演習課題を設定しています。学習者が自分の考えや気づいたことを周囲の人たちとも話し合って、深められるように配慮しています。
6.巻末に最新の法資料を充実して掲載しています。子育て支援に関する、新しい保育所保育指針、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の該当箇所、並びにそれらの条項に関連する各解説書の該当箇所もとりまとめて載録しています。本文と参照しながら活用可能です。

主要目次

第1章 子育て支援・保護者支援とは
1.子育て支援とは
2.保護者支援とは
3.保育の特性―「養護」と「教育」について
第2章 子どもの最善の利益と福祉の重視―子育て支援の基本
1.子どもの最善の利益とはなにか
2.自分らしく生きる力を育てる
3.保護者との関係をつくる
4.相談援助の基本
第3章 保育者の行う子育て支援の特性
1.子どもの保育とともに行う保護者の支援
2.日常的・継続的な関わりを通じた保護者との相互理解と信頼関係の形成
3.子育て家庭の抱える支援ニーズへの気づきと多面的な理解
4.子ども・保護者が多様な他者と関わる機会や場の提供
第4章 保育者の行う子育て支援の展開
1.子どもおよび保護者の状況・状態の把握
2.支援の計画と環境の構成
3.支援の実践・記録・評価・カンファレンス
4.職員間の連携・協働
5. 社会資源の活用と自治体・関係機関や専門職との連携・協働
6.地域に開かれた子育て支援
第5章 保育者の行う子育て支援とその実際(内容・方法・技術)
1.園における支援
2.地域の子育て家庭に対する支援
3.障害のある子どもおよびその家庭に対する支援
4.特別な配慮を要する子どもおよびその家族に対する支援
5 子ども虐待の予防と対応
6 多様な支援ニーズを抱える子育て家庭の理解
7.要保護児童等の家庭に対する支援
引用・参考文献
法資料 :児童の権利条約(児童の権利に関する条約)(抄)/児童福祉法(抄)/子ども・子育て支援法(抄)/教育基本法(抄)/学校教育法(抄)/就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(抄)/保育所保育指針(抄)/幼保連携型認定こども園教育・保育要領(抄)/幼稚園教育要領(抄)/保育所保育指針解説(抄)幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説(抄)/幼稚園教育要領解説(抄)など