子どもの音感受の世界 ─心の耳を育む音感受教育による保育内容「表現」の探究─

著者
無藤 隆 監修 吉永早苗 著
版型・頁
B5変形判 272頁(2016/1/21)
ISBN
978-4-89347-229-8
価格
2,200 円(税込)
数 量

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概要

子どもの音の感受とは何か。音感受教育による保育内容「表現」の最新テキスト!

本書は、子どもが楽音(楽器音や歌声)や身のまわりの音を聴き、それについて何らかの印象を持ち、共鳴し、何らかの感情を体験し、連想が豊かに展開するといった、子どもの音感受の実態を、観察調査と実験を介し、実証的に確かめたものです。そのうえで、幼児期の音楽表現の指導法について、音感受教育の視点から具体的に提言することをねらいとしています。

また、中央教育審議会の「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)平成27年8月26日」では、次期幼稚園教育要領の改訂の方向性として「例えば、幼児が音声の響きやリズムに気付くこと、生活に必要な言葉を分かったり使ったりすること、生活の中で様々な色、形などに気付いたり感じたりすること、場面に応じ体の諸部位を十分に動かすことなどが、小学校以降の生活や学習の基盤につながると指摘されていることも踏まえ、今後の検討において、専門的・具体的に議論を深めていくことが求められる(以下、略)」と示されています。

こうしたことをふまえ本書では、読者が子どもの音への気づき、感受、表現することを調査や実験結果より確かめられ、音感受教育による子どもの「表現」の指導法について、さまざまな具体的なアイデアから学びを深めていけるよう編集されています。

主要目次

Part1 子どもと音感受
 序 章 音感受を視点として子どもを観るということ
 第1章 音感受とは何か
     1 音を「聴くこと」の意味
     2 なぜ音の感受なのか
 第2章 モノの音の感受
     1 音感受のできる保育室の音環境を考える ─騒音調査にもとづいて─
     2 モノの音の感受の実際 ─サウンドスケープの知見から─
     3 響きの異なる場における子どもの前音楽的表現の調査
 第3章 人の声の感受
     1 乳幼児の成長に対する語りかけ・歌いかけの大切さ
     2 声を読む子ども ─10種類の「ハイ」に対する声色情報の感受─
     Column 音声情報解読の発達
     3 音声表現の手がかりとなる会話の抑揚
        ─6種類の「おはよう」に対する感情判断─
     Column 保育者の声に対するイメージ!?

Part2 音感受教育がひらく子どもの音楽表現
 第4章 音楽の感受の実際と表現のアイデア ─音感受していますか?─
     1 幼児期の音楽表現における音感受の実際
        ─幼児期のマーチングバンド活動への取り組みの調査から─
     2 歌遊びとそのアイデア
     3 楽器遊びとそのアイデア
     4 音感受を「ねらい」とする音楽表現
        ─小学校学習指導要領音楽科の[共通事項]を
         参考にした学びの連続性─
     5 「擬音語」の表現遊びのアイデア ─感性のつむぎ出す言葉として─
     Column バス停に「フェルマータ」!
        ─音楽用語のルーツに読む音感受のヒント─
 第5章 音感受教育のすすめ ─子どもの「耳」を取り戻そう─
     1 音環境を考えてみよう
     2 子どもの耳をもってみよう ─保育者の音感受を高める「音の記録」─
     音の記録① サウンドウォーク ─後楽園を耳で歩く!?─
     音の記録② 音日記 ─大学生による「一週間の音日記」の実践─

索引

付録データのダウンロード方法
<付録> 音声ファイル
<付録> 幼保連携型認定こども園教育・保育要領(抄)
    幼稚園教育要領(抄)
    保育所保育指針(抄)

監修者・著者紹介