<第１部>　幼児教育者の世界
　　第１章　幼年教育の課題継承
　　　§1．幼稚園教師への道
　　　　　１．幼稚園保母の誕生
　　　　　　(1) 保母の資質と心得
　　　　　　(2) 教師か保母か
　　　　　　(3) キリスト教宣教師たちが当てた光
　　　　　２．教員養成と研究的実践者
　　　　　　(1) 教師のゆらぎと成長
　　　　　　(2) 教員免許更新制度のゆくえ
　　　　　　(3) 就学前教育制度の矛盾解決への試み
　　　§２．国の教育課程基準と教育のロ−カル性
　　　　　１．ナショナル・スタンダ−ドの必要性
　　　　　　(1) 教育課程基準の成り立ち
　　　　　　(2) 国の教育課程基準が意味するもの
　　　　　２．教育のロ−カル性と健全さ
　　　　　　(1) 風土がつくる人間の軸
　　　　　　(2) 沖縄の就学前教育はいかにあるか
　　　　　　(3) 国の教育課程基準と風土性との関係
　　第２章　家庭教育と学校教育
　　　§１．教師としての母が抱えた課題
　　　　　１．意識される知性社会への転換
　　　　　 (1)親が教師になる物語
　　　　　 (2) 『母のための教育学』の意味すること
　　　　　２．養育者養成とコミュニティ
　　　　　　(1) 養育者教育の場
　　　　　　(2）親子が学び合うコミュニティづくり
　　　　　　(3) 保育・教育に対する主体者意識
　　　　　３．養育と教育概念の混同
　　　　　　(1) 養育と教育の軋轢
　　　　　　(2）養育性がもたらす教育の危機
　　第３章　女性教師の経験
　　　§１．母親と教師のあいだ
　　　　　１．家庭から学校へ
　　　　　２．日本の小学校の女性化
　　　§２．平田のぶ　―子どもとの愛の関係を求めて―
　　　　　１．愛の教育の希求
　　　　　２．母性による保育
　　　§３．池田小菊　―「教室の家庭化」の構想―
　　　　　１．「合科学習」の実験
　　　　　２．女性性の肯定
　　　　　３．「教室の家庭化」の構想
　　　§４．平野婦美子　―子どもに応えるー
　　　　　１．子どもへの応答
　　　　　２．応答関係の構築
　　　§５．島小学校の女性教師　―「授業の専門家」としての教師―
　　　　　１．授業の専門家としての教師
　　　　　２．子どもとの親密なかかわり
　　　　　３．授業におけるケア

<第２部>　実践過程にみる問いの所在
　　第１章　 就学前教育の意義と醍醐味
　　　　　１．子どもの権利保障と教師の研修
　　　　　　(1) 子どもに注ぐ目に真実が映るか
　　　　　　(2) 子どもに学ぶ教師が育つ文化とは何か
　　　　 　 　　 子どもらに家族をもつ権利の保障を　安部幼稚園　安部富士男
　　　　 　 　　 子どもに学ぶ教師たち　　　　静岡豊田幼稚園　宮下友美惠
　　　　　２．就学前教育で培うもの　
　　　　　　(1) 本物との出会いが道徳性を陶冶するか
　 　　 　　(2) 陶冶内容を哲学する視点は何か
　　　　　　(3) ゼロという無限への挑戦から転換を図れるか
　　　　　　 　わたしの幼稚園考　　　　　　　 呑竜幼稚園　小林研介
　　　　　　　子どもの真実に目を向けて　　結城富士見幼稚園　鮎澤伊江
　 　　　　　 ゼロにして見えたこと　　仙台みどりの森幼稚園　小島芳
　　第２章　就学前教育の構造化と教育内容の模索
　　　 　１．教育課程の構造がみえるか
　　 　　　(1) 見失った原点にあるもの
　　 　　　(2) 教育の求同性と求異性の対立から脱却できるか
　　　　　　　地元文化を活かした保育所づくり　童夢幼児園・保育園　高江洲功
　　　　 　　 中等教育から幼児教育へ　　　恵庭幼稚園　　井内聖
　　　　２．幼年期の教育方法論への問い
　　　　　(1) 生活や遊びの指導の総合性が論理づけられるか
　　　　　(2) プロジェクト法の醍醐味に再挑戦できるか
　　　　　　　教育を生活化する面白さと課題 　東洋英和幼稚園　大伴栄子
　　　　　　　遊びと生活をつなぐプロジェクト　東京学芸大学附属幼稚園　赤石元子
　　　　３．生活に根づく表現芸術
　　　　　 (1) 生活に根づく表現芸術が実践されているか
　　　　 　(2) 表現者としてともに暮らす教師がいるか
　　　　　　 　はじめにリズムありきの奥深さ　国立音楽大学附属幼稚園　山下郁子
　　 　　　　　子どもの夢が踊る環境　　　健伸幼稚園　柴田●夫
　　第３章　教師のライフワ−ク
　　　 　１．教師の道への自問自答
　　　　 　(1) ライフワ−クに応じた職域の広がりがあるか
　　　 　　(2) 問い続ける自分との闘いに勝てるか
　　　 　　(3) 障害児教育者としての専門性とは何か
　　　　　　　異文化の中の日本　　　ドイツ；フランクフルト日本人幼稚園　大澤ちづる
　　　　　　　ろう学校幼稚部の教師として考えてきたこと
　　　　　　　東京都立大塚ろう学校幼稚部　 長谷川純子
　　 　　２．新たな就学前教育の開拓者に

<第３部>　幼年教育者の現代的課題
　　第１章　女性たちと子どもたち
　　　§１．養育と教育の現在
　　　　　１．女性のライフスタイルの変化
　　　　　２．変容が孕む問題
　　　§２．フェミニジアと保育の文化
　　　　　１．子育てのユートピア
　　　　　２．教育の担い手と世話の担い手
　　　　　３．再生産と生産の関係
　　第２章　幼年教育における教育とケア
　　　§１．教育とケアの統合
　　　　　１．「保育」という言葉
　　　　　２．ケアと教育の統合
　　　　　３．幼保一元化の課題
　　　§２．ケアとジェンダー
　　　　　１．女性とケアワーク
　　　　　２．養育の中の男性
　　　§３．スクールホームの構想
　　　　　１．学校への家庭性の導入
　　　　　２．リベラルエデュケーションへの挑戦
　　　　　３．「スクールホーム」のカリキュラム
　　第３章 　保育の専門性
　　　§１．専門性の困難
　　　　　１．専門職としての幼年教育
　　　　　２．養成教育と現職教育
　　　　　３．多様な専門性
　　　§２．専門化の方途
　　　　　１．教職の専門性
　　　　　２．養育の日常性
　　　　　３．女性職の専門性
　　　§３．ケアリングの専門家
　　　　　１．ノディングズのケアの倫理
　　　　　２．ケアする者の専門性
　　　　　３．ケアリング・プロフェッション