トップページ 本の紹介 ご注文方法 会社概要 カートをみる
保育関係テキスト

新保育内容シリーズ  事例で学ぶ保育内容シリーズ  知の探究シリーズ
保育関係テキスト  保育実習図書  保育実践図書  各種専門図書

保育方法の実践的理解
書名 保育方法の実践的理解
著者 久富陽子・梅田優子 著
頁 B5判 204頁 (2008/05/18)
ISBN 978-4-89347-128-4
税込価格 2,100円

 数 量 

 

概要

 保育者の責任というのは、保育者の倫理観、専門性や人間性の充実によって果たしていくことが可能であると考えます。かつて、「保育」という営みが「子守り」と同じようなもので、「女や子どもがやればよいこと」ととらえられていた時代がありました。しかし、今では専門家としての保育者の存在が広く認められてきており、その結果として、責任も強く問われるようになってきたのでしょう。一方、こうした保育者の責任が強くいわれるようになってきた背景には、子どもが育つためにふさわしい社会環境や自然環境が失われつつあり、幼稚園や保育所に大きな期待と責任がかけられているといえるのかもしれません。

 いずれにしても、その重責をになう、あるいはになうことになる保育を学ぶ学生たちは、こうした社会からの声に対してどのような思いを持っているのでしょうか。保育というものは、ベテランの保育者であっても、日々新しい課題にぶつかり、悩み、迷います。保育を学んだことのある人であれば、「いつも笑顔で冷静さを失わず、広い心でどのような状況でも受け入れられ、迷いも不安もなく、適切な対応ができる保育者」になることが、いかに難しいことであるかを知っていることでしょう。保育者という仕事は、常に自分が理想に描く保育の途上にいながら、日々の保育を行っています。子どもと過ごす生活には楽しさや喜びも多いものですが、自分の保育を振り返れば振り返るほど、迷い、悩み、考え込んでしまうという現実もあります。

 このテキストは、迷い、悩む、尾崎新の言葉でいえば「ゆらぎ」を感じながら、保育を見つめていく人こそ、専門家としての保育者になれるということ、つまり、それが「保育方法」を学ぶということであるのだろうということを基本にしながら作成してきました。そのような思いがテキストの中でうまく表現できたかどうかという不安もありますが、保育の実践を身近に感じられるために、可能な限り保育の実践事例や学生さんや保育者の生の声を取り入れて記述しました。 (本書まえがきより)

もくじ

1章 「方法」を考えるときに大切なこと
 §1 「方法」とは何だろう
 §2 保育方法は状況性、多面性を含んでいる
 §3 「子ども理解」から生まれる方法
 §4 「保育者の願い」から生まれる方法
 
2章 子どもと遊びの楽しさを共有する方法を探る
 §1 子どもと遊びの楽しさを共有するとは
 §2 仲間として遊びやかかわりを楽しむ
 §3 子どもの楽しさや行為の意味に思いを巡らす
 §4 提案者となり、子どもと楽しさをつくり出す
 §5 子どもの興味や関心を逃さずにとらえる
 §6 遊びの中で起こる葛藤について考える
 §7 葛藤状況を乗り越える方法を試行錯誤し、共に遊ぶ楽しさを味わっていく

3章 子どもが育つ環境をつくる方法を探る
 §1 幼稚園教育要領が示していること
 §2 環境が子どもをつくるということ
 §3 環境を構成すること
 §4 季節を視野に入れた環境構成
 
4章 子どもとの充実した遊びや活動を組み立てていく方法を探る
 §1 遊びを通して育つということ
 §2 保育の見通しを持ち、子どもたちを迎える準備をする
 §3 子どもたちの遊びを援助する
 §4 保育の場において形態を考えることとは
 §5 実習体験から考える
 
5章 子どもとの充実した生活をつくるための方法を探る
 §1 一日という単位
 §2 朝の出会いと一日の終わり
 §3 場をつくること・片づけること
 §4 食 事
 §5 休 息
 §6 子どもとの共同生活をつくるための保育者の生活
 
6章 子どもの育ちに即した援助の方法を探る
   ― 関係の広がりを中心にして ―
 §1 子どもが育つということ
 §2 子どもと周囲の大人との関係の広がり
 §3 子どもと子どもの関係の広がり
 §4 子ども集団の育ち
 
7章 栽培活動や行事を子どもとともにつくりあげる方法を探る
 §1 長期の見通しを持つ
 §2 栽培が生活にもたらす意味と子どもの育ち
 §3 行事が生活にもたらす意味と子どもの育ち
 
8章 かかわりの難しさを感じる子どもへの援助の方法を探る
 §1 気になる子どもへの援助
 §2 障がいのある子どもへの援助
 §3 外国人の子どもへの援助
 
9章 記録から方法を探る
 §1 何のために記録するのか
 §2 何を記録するか
 §3 記録から援助・指導を考える
 §4 実習の記録

10章 連携という方法を探る
 §1 保護者とともに
 §2 地域とともに
 §3 保育者集団の育ち
 
11章「方法」を探究していくために
 §1 実践から考える・学ぶ
 §2 歴史から学ぶ
 §3 保育者として人間として育つこと

back