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書名 保育者のための 子ども家庭福祉
著者 松本峰雄 著
頁 A5判 209頁 (2007/10/02)
ISBN 978-4-89347-124-6
税込価格 1,890円

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概要

 本書は、従来の「児童福祉」ではなく「子ども家庭福祉」と表題しました。それは第1に、「児童」は保護の対象で、権利を保障される受身の存在としてとらえられてきたのに対し、「子ども」は権利の行使主体として発展的な意味をもっていること、第2に、児童福祉が、親を含めた社会の責任として実践される子どものウエルビーイング(well-being)、すなわち、子どもの人権の尊重・自己実現、子どもが子どもらしさを保ち、自らの潜在的な可能性を開花させつつ生き生きと生活している状態を促進するため継続した努力が必要になるということ、第3に、虐待や放任といった親子関係が不安定な状況の中で、親になりきれない親に対し、あるいは親子の信頼関係・愛着関係が十分できない親に対する子育て・親育ての支援が急務とされ、家庭に身をおく子どもたちにとって、家庭生活は切っても切り離すことができない存在なのです。
 このように、子育て支援、子ども自身の成長・発達の支援、親子関係の支援が現在の子どもの福祉の中心であることに鑑み、あえて児童福祉ではなく「子ども家庭福祉」としました。
 子どもが生活をする第一義的な場所は家庭しかありません。しかしその家庭が乱れ、子どもたちが犠牲になっています。本書では、とくに第3章で力説しました。
 子どもを含め、“人は苦しみのために生きているのではなく、楽しみのために生きている”のです。そしてそれを実践するのが福祉です。(本書まえがきより)

もくじ

第1章 子ども家庭福祉の意義
 §1 子ども家庭福祉の基本理念
   1.子ども家庭福祉とは
   2.子ども家庭福祉の考え方
   3.子どもと家庭
   4.家庭は子どもの生活の場
 §2 子どもの福祉の概念・理念・本質
   1.子どもの福祉の概念
   2.子どもの福祉の理念
   3.子どもの福祉の本質
 §3 子どもの福祉の対象
   1.18歳に満たないすべての子ども
   2.妊産婦
   3.保護者
   4.コミュニティおよび社会環境

第2章 子どもの福祉の歴史
 §1 なぜ、子どもの福祉の歴史を学ぶのか
 §2 イギリスの子どもの福祉の歴史
   1.エリザベス救貧法
   2.産業革命前後と子どもの処遇
   3.第二次世界大戦後の子どもの福祉の展開
 §3 アメリカの子どもの福祉の歴史
 §4 日本における子どもの福祉の歴史
   1.明治期以前の子どもの養護
   2.明治期から第二次世界大戦前まで
   3.戦後の子どもの福祉

第3章 現代社会と子ども
 §1 親の育児不安と子ども虐待
 §2 いじめのなかの子どもたち
 §3 子どもと学校の問題
 §4 不 登 校
 §5 子どもの食生活
 §6 養護児童等実態調査の概要
   1.もう、ひとりぼっちじゃない
   2.児童養護施設の現状
 §7 ひとり親家庭の問題
   1.父の日のつらい思い出
   2.ひとり親家庭とは

第4章 子どもの福祉に関する法律
 §1 子どもの福祉に関する法律
   1.『児童福祉法』制定の経緯
   2.『児童福祉法』の改正
   3.『児童福祉法』の概要
   4.『児童福祉法』の関連法令
   5.児童福祉の関係法規
 §2 子どもの福祉に関連した主な法律
   1.『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律』
   2.『児童虐待の防止等に関する法律』
   3.『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』

第5章 子どもの福祉の機関と施設
 §1 子どもの福祉の行政および審議機関
   1.行政機関
   2.審議機関(児童福祉審議会)
   3.子どもの福祉の実施機関
 §2 子どもの福祉の施設
   1.子どもの福祉施設の役割
   2.子どもの福祉施設の種類
 §3 子ども家庭福祉の費用
   1.子ども家庭福祉の費用
   2.子ども家庭福祉の利用者負担

第6章 子ども家庭福祉のサービスの現状
 §1 少子化と子育て支援サービス
   1.子どもをとりまく環境の変化
   2.多様化する保育ニーズ
   3.国の少子化対策
 §2 健全育成
   1.子どもの健全育成の意義
   2.児童厚生施設
   3.放課後児童健全育成事業
 §3 母子保健
   1.母子保健の概要
   2.母子保健にかかわる施策
 §4 養護と虐待
   1.児童養護
   2.児童虐待
 §5 障 害 児
   1.障害とは何か
   2.心身に障害のある児童
   3.障害のある児童への対策
 §6 少年非行・情緒障害
   1.少年非行
   2.非行問題の実施体制
   3.情緒障害
 §7 ひとり親家庭
   1.母子家庭・父子家庭に対する福祉
   2.『母子及び寡婦福祉法』の目的および理念
   3.『母子及び寡婦福祉法』の対象者
   4.母子家庭・寡婦に対する福祉
   5.父子家庭に対する福祉

第7章 児童福祉の専門職としての保育士の役割
 §1 児童福祉の専門職
   1.社会福祉援助の特徴と倫理の必要性
   2.社会福祉の専門職に求められる資質
   3.児童福祉の専門職の主な業務
   4.行政協力員の主な職務
 §2 児童福祉の専門援助技術
   1.児童福祉の専門援助技術とは
   2.ケースワーク
   3.グループワーク
   4.コミュニティワーク

第8章 相談援助活動
 §1 多職種・多機関の協働による業務
   1.チームワーク
   2.ネットワーク
 §2 児童福祉施設における自立支援
   1.施設における自立支援
   2.退所前後の指導
   3.退所後の指導
 §3 地域における子育て支援
   1.地域子育て支援事業
   2.その他の施設での子育て支援


【参考資料】
 1.『児童福祉法』(抄)
 2.『食育基本法』(抄)
 3.「楽しく食べる子どもに−保育所における食育に関する指針−」(抄)
 4.「全国保育士会倫理綱領」

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